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こころみ〜感覚

こころみシリーズ第2回目は、心と密接な繋がりを持つ「感覚」について、その概要、はたらきと性質をご紹介しようと思います。

このシリーズはあくまでヨガ・ピラティスやメディテーション、さらには日常生活において心を整える実践に寄与することを目的とするものですので、学術的専門的なことはさておき、感覚というのは、「暑い、寒い」「気持ち良い、悪い」といった「感じ」とだけ捉えておくことにします。

そういった「感じ」が得られるのは、目・耳・鼻・舌・肌の五つの感覚器官を通してです。一般的に五感と呼ばれるものです。

これに「第六感」ではありませんが、仏教心理学では「」という概念、言い換えれば、心の中で「思ったり、考えたり」というはたらきを加えて六識と呼んだりしています。

感覚のはたらき・性質

これらの感覚器官の仕事は、自分の内と外の世界から情報を集めることです。ひたすら集めます。

この、ひたすら集めるという点が同時に、私たちが気をつけるべき感覚の性質とも言えます。

感覚は放っておくと、休むことなくひたすら情報を集めまくります。集める情報の善悪、要不要の分別をすることなく、ひたすら集めます。

Seed Training 感覚図 ヨガ哲学 仏教 瞑想 メディテーション メンタル マインドフルネス

この性質は、ヨガ哲学でも仏教でも、木から木へと落ち着きなく飛び移る猿のようだと喩えられているくらいです。

こうして集められた情報をそのままにして置くと、それらは全て蔵識にある「種」の発芽のエネルギーになってしまいます(このプロセスは「心の解剖学」をご参照下さい)。健全、有益なものだけではなく、不健全で有害な種もまた、芽を出してしまうのです。

心がけたいこと

さて、それではこの猿のような「感覚」と上手に付き合う上で心がけたいことは、どういったことでしょうか?

これも、ヨガや、禅をはじめとする仏教で説かれる方法をご紹介すると、

  • 感覚が集めた情報を選別する「識別力」を身につける
  • 感覚そのものを対象から引っ込める

ということです。

識別力をつけるためには、識別力を備えた人と接することが一番です。ヨガでも禅でも、良い師に学ぶことが重要視されるのは、このことが理由の一つです。それが適わない場合は、そういった識別力を備えた人の書いた書物等に触れることも有益だと思います。

Seed Training 識別力図 ヨガ哲学 仏教 瞑想 メディテーション メンタル マインドフルネス ヴィヴェーカ

識別力を使えば、集められた情報を上手に整理できる

次に、感覚そのものを対象から引っ込めるということですが、これは言ってみれば猿が飛び移る先の木を全て無くしてしまうような感じです(ヨガでは、亀が手脚を甲羅に全て引っ込めるように、という喩えをしたりもします)。

この、感覚そのものを対象から引っ込めるために考案された瞑想方法があります。それが仏教で修行される「サマタ瞑想」です。ヨガでは同じような技法に「プラティヤハーラ」(制感)と呼ばれる鍛錬方法があります。やり方を覚えると、この瞑想方法は感覚をコントロールし、集中力を高めるテクニックとして非常に有効です。

Seed Training 悟りの感覚図 ヨガ哲学 仏教 瞑想 メディテーション メンタル マインドフルネス プラティヤハーラ 制感

外の物に飛びつくことを止めてしまう。

また、瞑想以外にも、

  • 不健全で有害な種にエネルギーを与えてしまいそうなもの、場所から距離を置くように努める
  • 集中できるものごとを、時間を見つける

ことも効果的と思われます。

こころを見つめ、上手に付き合っていくお役に立ちそうであれば、幸いです。

sv10s

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こころみ〜心の解剖学

当サイトでも、レッスンでもよくお話しすることですが、私がヨガのティーチャートレーニングで先生から最も多く教わったのが、ヨガ哲学仏教も含んだ心に関する智慧。

レッスンではあまり多く語りませんが、ご興味をお持ちのお客様や、直接レッスンという形ではなく、当サイト上でのご縁だけの方にも、私が学び、実践してきたものの中から、

今この瞬間に生きるための心

を身につけるための、心に関する情報をシリーズでご紹介していきたいと思います。

  • 過去の苦しみから立ち直れない
  • 将来に大きな不安を抱えている
  • 強い感情に心が支配されそうだ

そんな方にとって、少しでもお力になれるようなものを書いていければと願っています。

第1回目は、言うなれば「心の解剖学」です。

心はどんな構造をしているのか、仏教心理学の智慧をお借りしたいと思います。

蔵識と意識

仏教心理学では、意識は六識といって六層構造になっていると説きます。その中で特にピックアップしておきたいのが「蔵識」と「意識」です。それぞれ、「潜在意識」「顕在意識」と言い換えても良いかもしれません。

蔵識とは、様々な感情、感覚、性質を「種」として蓄積するところです。自身でこれまで経験したもの、あるいは遺伝したもの等、一切の心的要素がここに眠っているとされます。

人の骨、筋肉、内臓の種類や数が基本的にみんな同じであるように、一切の心的要素がみんな同じようにこの蔵識に備わっているのです。

一方、意識とは、蔵識にある「種」が芽を出し、その力を外部的に発揮するところです。意識にまで芽を出した感情や性質は、自分自身でも、周囲の人にも、はっきりとわかります。

顕在化のプロセス

この蔵識→意識の顕在化のプロセスは、私たち自身の言葉、行動、思考を、そして外部の環境他者とのコミュニケーションをエネルギーとして行われます。

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たとえば、図に示したように、暴力的な情報や言動を受けると、心の中の蔵識にある「怖れ」「不安」の芽を刺激し、それが意識の層まで芽を出してきます。そのとき、私たちの心は「怖れ」「不安」に支配されてしまいます。

蔵識の中のどの「種」が芽を出すかは、私たち自身の言動や環境等の内容によって左右されます。

その内容が健全、有益ならば、健全で有益な「種」が、
その内容が不健全、有害ならば、不健全で有害な「種」が、

それぞれ顕在化します。

心がけたいこと

では、そういったはたらき方をする心と、どうやって付き合っていけばいいのか?

心がけたいことは何となく見えて来ていらっしゃるかと思います。それは、

  1. ネガティヴな「種」の成長を防ぐこと
  2. ポジティブな「種」の成長を助けること

です。具体例をあげると、、、

仏教の戒律や、ヨガの「ヤマ」(禁戒)を実践することで自身の言動を不健全化することを防ぐことができますし、テレビやネットの使い方に注意する、好ましくない人と距離を置く、好ましくないコミュニケーション方法を避けるといった形でも実践が可能です。

ヨガの「二ヤマ」(勧戒)の実践で自身の言動を健全なものにすることができますし、美しい自然や芸術に触れるといった環境との関わり方は、私自身も心がけていることです。

そしてもう一つ。メディテーションの実践を通して、蔵識と意識に直に触れて(感じて)、1と2を同時に行うこともオススメしたい実践方法の一つです。

何かのお役に立ちそうであれば、幸いです。

sv10s

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ティク・ナット・ハン師の『ブッダの<呼吸>の瞑想』

当スタジオでのヨガ・ピラティスレッスンにおけるスタンスの基礎となっている、ティク・ナット・ハン師の『瞑想の基本経典』シリーズから『ブッダの<呼吸>の瞑想』についてもご紹介しておきたいと思います。

タイトルが示す通り、本書のキーワードは「瞑想」と「呼吸」。

とりわけ「呼吸」の大切さが、経典そのものに記された瞑想方法、ティク・ナット・ハン師の解説、現代風にアレンジした瞑想方法の紹介を通して繰り返し説かれています。

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ティク・ナット・ハン師の『ブッダの<今を生きる>瞑想』

ティク・ナット・ハン師の『瞑想の基本経典』シリーズの最新刊となる『ブッダの<今を生きる>瞑想』を読みました。

既刊の<気づき>の瞑想>、<呼吸>の瞑想と同じく、

  • 瞑想について触れられた初期仏教のお経の現代語訳
  • ティク・ナット・ハン師による日常を例に取ったわかりやすい解説
  • 日常に活かせる実践方法の提案

という、非常に読みやすく、実践に移しやすい構成が取られています。

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ティク・ナット・ハン師の『怖れ 心の嵐を乗り越える深い智慧』

久しぶりに本のご紹介を。

今回ご紹介するのは、私がこれまでも度々ご紹介してきたティク・ナット・ハン師の著書。

タイトルは『怖れ 心の嵐を乗り越える深い智慧』

この本では、

  1. 「怖れ」の感情についての仏教の視点からの省察(怖れとは、どういった感情か、なぜ人は怖れるのか、何を怖れるのか、怖れはどのような結果を生み出すのか等)
  2. 「怖れ」にどのように対応すれば良いのか、マインドフルネスに基づく実践方法の紹介、大きく分けると以上のような構成になっています。

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