先日、とても興味深く、そして素晴らしい映画を見てきました。
タイトルは『パーソナル・ソング』。
認知症などで介護施設に入所したり、日常生活に不自由を感じたりすることで、心身ともに塞ぎ込んでしまっている患者さんたち。その人たちに、彼らの「思い出の曲」を聴いてもらうことで、再び生きる希望と喜びを取り戻してもらう、という、音楽の力を取り上げたドキュメンタリー作品です。
ずっとうつむいて黙っていた人が思い出の曲を耳にした瞬間、突然、目を大きく見開いて歌い出し、話し出し、また精神的に不安定だった人が心の底から振り絞るような声で「It’s fun!!!(楽しい!)」と声をあげる瞬間など、おそらく多くの事例の中でもっとも効果のあったケースのみをまとめ、編集したものなのかもしれませんが、それでも、自身もクラシックを中心に音楽をよく聴く1人として、深い感銘を受けた作品でした。
この作品の中で、ヨガ・ピラティスインストラクター、そして、タイ古式マッサージの施術者としてとても共感したことが2つあります。それは、
- 人間の身体は機械じゃない。心は薬では取り戻せないということ
- 今後、音楽をはじめとする芸術に直接触れることの重要性が増してくるということ
です。
作品内で、あるお医者さんは、現代の医療は人間を「複雑な機械」のように捉えている、ということを言っていました。血圧や血糖値等の数値が平均値とされる範囲から外れると、薬を使って平均値に収まるように調節する。
そのうち、薬によって人はどんどん「管理」されていく、と。だけども、どれだけ薬が進歩しても、心の問題だけは薬では解決できない、と。
そこで、心の問題に光を当てるうえで今後存在感を増してくるのが、芸術・スポーツといった分野です。
この作品では、音楽を脳科学の見地から取り上げ、認知症への効果を紹介する場面がありました。それによると、音楽は脳の全領域にわたって記憶されるため、脳のある領域が機能しなくなっても、他の領域の記憶が生きている限り、消失してしまうことはないそうです。そして、記憶に残っている音楽を聴くことで、脳の当該領域を活性化し、同時にその周辺の記憶も呼び覚ます効果も見込める、ということでした。
その一例が、冒頭でご紹介したような事例です。
個人的には、この「脳の全領域」がキーワードだと感じました。確か以前、茂木健一郎さんの本でも見たことがあるような。茂木さんの本では、勉強法として、声に出して読んだり、手で書いたり、目で読んだり、あらゆる手段を総動員して勉強すれば記憶に残る、ということだったかと思います。
音楽に置き換えれば、耳で聴き、声に出して歌い、全身を動かして踊ったり、心で感じて、笑ったり、涙を流したり、そばにそうした記憶を共有した誰かが一緒にいたかもしれない。
そうやって、脳の全領域で、全身全霊で音楽に触れたから、忘れない。何十年経っても、思い出せる。身体も動くようになるし、声も出るようになる。喜びが、幸せとして甦る。
そういうことなんじゃないかな、と感じました。
ヨガ・ピラティスそのものは、認知症になってからでは、もしかすると過去の記憶や心を甦らせる手段としては適切でない、かもしれません。
ですが、そうならないための予防法として、あるいは芸術・スポーツにより深く触れるための手段として、脳も含めた心と体の構造だったり、心と体の自然な状態を、知識としてではなく全身で理解する方法として、受け入れられるといいなと思います。
レッスンでも、全身、全感覚、脳の全領域を総動員して、ぜひ主体的に工夫しながら、動いてみてください。
1000ドルの薬より、1曲の音楽を!
この映画のキャッチフレーズですが、Seed Trainingに置き換えれば、1回のレッスンを!と言うところでしょうか。
どうぞよろしくお願い致します。
【予告編はこちらから】
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