タイ古式マッサージと関連して、タイ伝統医学のカラダ観について、少し触れてみたいと思います。
タイ伝統医学では、人間のカラダ、健康は、どのように捉えられているのか、いくつかの観点がありますが、今回はその中でも特にタイトルで触れた「4大元素」なるものについて、ご紹介したいと思います。
4大元素の中身
タイ伝統医学では、4大元素は年齢性別人種を問わない全ての人のカラダ(4大元素に「魂」が加わります)を構成し、さらには自然を構成するものとして捉えられています。
その4つとは、
- 地
- 水
- 風
- 火
であるとされています。
タイ伝統医学では、ボクたちの体内でこれらの調和が確立され、なおかつ調和の取れた自然環境のもとで、その自然環境とも調和的に生活できることが、健康を保つための秘訣であると説かれています。
これら4大元素が自然を構成する元素、っていうのはイメージしやすいですよね。でも、人間のカラダに「地」とか「風」とかっていう元素、存在してるの?っていう、半信半疑な感じじゃないでしょうか?なので、ここからは特にボクたち人間のカラダの地・水・風・火、具体的にリストアップしていきたいと思います。
地=固形要素
まず「地」の要素ですが、カラダの構成要素の中で固形をとる要素がこれに該当します。タイ伝統医学では以下の20が「地」のカテゴリーに分類されます。
- 髪
- 体毛
- 爪
- 歯
- 肌
- 筋肉
- スジ(じん帯&腱)
- 骨
- 骨髄
- 脾臓
- 心臓
- 肝臓
- 筋膜(結合組織)
- 腎臓
- 肺
- 胃
- 腸
- 未消化の食物
- 腸内の食物
- 脳および脊髄(神経系)
お腹の中の食物まで含まれるっていうのは少し意外かもしれませんが、こうやって並べると、なんとなく「地」のイメージ、湧いて来ませんか?
水=液体要素
これは、イメージしやすいのでは?カラダの中を流れる液体、これが「水」のカテゴリーに分類されます。以下の12が該当します。
- 胆汁
- 痰
- リンパ液
- 血液
- 汗
- 固体脂肪
- 涙
- 液体脂肪
- 唾液
- 鼻汁
- 滑液
- 尿
風=カラダの中の「流れ」
風の要素は、具体的な身体部位というのが存在しません。カラダの中の「流れ」が「風」の要素に該当します。具体的には以下の6つの方向、あるいは位置というのが当てはまります。
- 下半身→上半身への流れ
- 上半身→下半身への流れ
- 腹腔(横隔膜から下のお腹一帯)内の流れ
- 胃、腸内の流れ
- カラダ全体の流れ
- 呼吸
このあたりは、ヨガをお稽古されている方にはいわゆる「五気」の知識やアーサナ、プラナヤーマの経験から「なるほど」と思われる点があるかもしれませんね。
火=カラダの中の「熱」エネルギー
最後に「火」の要素。これも「地」「水」と違ってカラダの具体的な組織や器官に相当するものはありません。カラダが生み出す熱性のエネルギーが「火」の要素となります。以下の4つが存在するとされます。
- 体温を生み出す「火」
- 感情のイライラを生み出す「火」
- カラダを劣化、老化させる「火」
- 食物を消化する「火」
こうやって見てみると、「なるほど」っていうことは、ないですか?体温はもちろんですが、「烈火の如く怒る」なんて表現しますし、カラダもココロも「燃え尽き」る、食物を「火」の力で消化する、というのはヨガの考え方とも共通するところです。
タイ古式マッサージと4大元素との繋がり
4大元素に触れたところで、最後にタイ古式マッサージと4大元素との繋がりについて。
タイ古式マッサージは、4大元素の中でもとりわけ「風」の要素との繋がりが大きいとされています。
センと呼ばれるエネルギーライン(詳細はこちらの記事をご確認ください)への指圧マッサージ、ストレッチを駆使し、「風」の要素として触れた6つの「流れ」が、スムーズに、そしてバランスよく繋がるようにします。
そして、「流れ」を改善することで、「火」の要素のバランスも改善し、さらにはその流れの途中に点在する「地」「水」の要素に該当する各組織や器官、液体を含むカラダ全体を調整し、癒すのです。
少し長くなりましたが、タイ古式マッサージの根っこにある「先人の智慧」、お楽しみいただけましたら幸いです。
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