ヨガ哲学でも禅などの仏教でも、その究極の目標は、苦しみ悩みからの心の(あるいは魂の)解放です。
今回は、心を苦しみ悩みから解放するために、苦しみを引き起こすとされる心の状態・はたらき・要素について、ヨガ哲学で説かれる5つの要素(クレシャ)をご紹介しようと思います。
心のどういった側面が苦しい思いを引き起こすのか、自身の心の内側にある原因を見つめる参考になれば幸いです。
5つのクレシャ
ヨガ哲学では、自分の中にある以下の5つの心の状態・はたらき・要素を、心に苦しみ悩みをもたらすものとして挙げています。
- 無知
- エゴ・我執
- 執着
- 憎悪・逃避
- 死の恐怖
無知
無知とは、単純にものを知らないという意味ではなく、言ってみれば「思い違い」「心得違い」という意味です。
限りあるものを永遠と思い込んだり、苦痛を生むものを心地良いものと思い込んだり、そういったことを無知と呼んでいます。
この無知が、他の全てのクレシャ、あらゆるかたちの苦しみ悩みをもたらす根源とされ、特に注意を払うべきであるとされています。
エゴ・我執
次に、「私が!私が!」といった自意識、「私のもの!」という所有欲/支配欲などの形で現れるエゴや我執も苦しみ悩みをもたらします。
本当は「自分のもの」ではないもの(ヨガ哲学や仏教では物や人に限らず、”自分の”体や心までも含みます)を自分のものと見なすこと、これをエゴ・我執ととらえていただくと良いかと思われます。
執着
我執と似ているように思われますが、執着とは、快楽・心地よいものに固執してしまう心の働きを言います。
憎悪・逃避
苦しみを避けたいと強く思う心、または、苦しみを与える元凶と思われるものへ抱く憎悪も苦しみの原因とされています。
死の恐怖
そのままの意味ですが。。。ずっと生きていたいと欲する、ある意味で心の本能とも言えるかもしれません。
ここでもう一度、ヨガ哲学で説く、苦しみ悩みの原因を図にしてみると、こんな感じです。
- 「思い違い」「心得違い」という無知がまず心の中にあって、
- 無知から「エゴ」「執着」「逃避」「死の恐怖」その他さまざまな心の苦しみ悩みが生まれる
私は、自分自身の心の苦しみや悩みの経験を振り返った際、その原因を一つずつ遡って突き詰めて行く(上図で言うと、外から内へと辿って行くイメージです)と、まさにヨガ哲学の教えの通り、自分の中の「無知」にあったことを実感しました。皆さんは、どうでしょうか?
ちなみにヨガ哲学のクレシャの考えは、苦しみ悩みの原因を「自分の心の中」にあるとしていますが、この解釈の仕方として私が蛇足ながら付け加えておきたいことがあります。
「悪いのは私」という雑な捉え方は絶対にしないこと
です。
これまでにも見て来ましたが、心はなかなか自分の思い通りに制御できない「生き物」のようなものです。ですので、
- 自分の思い通りにいかない心の動き・はたらきに気づき、
- それら心の動き・はたらきに翻弄されることなく見つめ、
- ゆるやかに変化させてゆく
というような気持ちをお持ちいただけるといいかなぁ、と個人的には思います。
そんな風に、苦しみ悩みの原因とされる「無知」を、一つ一つ失くしていきたいものですね。
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