こころみシリーズ第1回目と2回目は、外的要素から「種」がエネルギーを吸収して、心が「種」から発芽した感情や性質の影響を受けるという、いわば受動的な心のはたらきをご紹介しました。
今回は、心そのものが能動的に取る認知、反応パターンを”心の行動パターン”としてご紹介しようと思います。
ヨガスートラ・5つのチッタブリッティ
ヨガでは、チッタブリッティ(心の作用、波)と呼んで、心そのものが取る5つの認知、反応パターンを挙げています。
- 正知
- 誤解
- 言葉による錯誤
- 睡眠
- 記憶
が、その5つです。
直に経験したり、正確に推論したり、適切な人や物によって説かれた教えを通して認知することが、正知です。
反対に、ある対象に関して、その実態と合致しない理解・認識をしてしまうことが、誤解。ヨガでは、「暗闇の中で、巻いてあるロープをヘビに見間違えて取り乱すようなもの」と喩えられたりします。
実体を伴わない、絵空事の言葉のみを頼りに引き起こされる知覚・認識が、言葉による錯覚です。
心の中が空っぽで、一切の内容物が欠如している状態、心が全く活動していない状態が、睡眠。
最後に、経験を保存する、そして保存した経験を対象に認知することが、記憶の働きになります。
心が取る行動に良い悪いは無い
これら5つの心の行動パターンに関して、理解しておくべき大切なことがあります。それは、心が取る行動そのものに良い悪いは無い、ということです。
これらの心の行動の結果に、何らの苦痛をもたらさないものと、私たちに苦痛を与えるものがあるというだけです。
なので、正知は良いとか、誤解や睡眠は悪いとか、そういったレッテル貼りは避けなければなりません。
5つの心の行動それぞれに、苦痛を与える可能性もあれば、無害な可能性もあるのです。大切なことは、心が取っている行動が、行動の対象が、苦痛を与えるものか無害なものかの見極めが出来るようになることです。
心がけたいこと
これらの心の行動パターンを理解して、自分を見誤ったり、苦痛を受けることを減らすには、どうすればいいのでしょうか?
心を正しく働かせるために心がけたいこと、それは、
- 洞察力を持つこと
- 意志を確立すること
です。
ヨガ哲学では、それぞれアヴィヤーサ(修習)、ヴァイラーギャ(離欲)とも呼ばれています。
深い洞察力を持って、自分は5つの中でどのパターンから、どんな苦痛、ネガティヴ要素と結びついてしまう傾向があるのか、絶えず観察を続けます。
この洞察力と観察力を高める瞑想方法には、仏教の瞑想方法で「ヴィパッサナー瞑想」というのがあります(以前タイ修行時の記事でご紹介しましたが、余力があれば今回のシリーズでも改めて実践編としてご紹介できればと思います)。
そして同時に、意志の力によって苦痛やネガティヴ要素をもたらす対象から距離を置き続けるようにします。
図にすると、こんなイメージ、どうでしょう?
心には、心そのものの行動の結果、常に様々な要素が取り込まれていきます。それらが健全でポジティブな要素をもたらすのか、苦痛やネガティブ要素をもたらすのかの見極めをする「洞察力ある賢者」のような自分と、苦痛やネガティブ要素をもたらすものを断ち切る「意志の確立された武士」のような自分を心の中に住まわせる。
苦痛やネガティヴ要素を怖れて避けるのではなく、冷静に心を理解して、未然にそれらを防ぎ、仮に目の前に現れても触れないようにしたいものですね。
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