ヨガ,プラティヤハーラ,武道,ココロ,

巻き藁の前でヨガと向かい合う

先日、居合の演武会で人生初体験となる「試斬」やらせていただきました。

こちらがその時の様子になります。

Tameshigiri〜Test cutting from Yukinobu Ota on Vimeo.

斬れた、斬れなかった。表面を見れば、ただそれだけの話のようにも思えます。

が、この2回の試技で、自分自身では、ヨガと向かい合っていた、そう思う体験をしていたのです。

今回はちょっとそのお話を。

試技1回目〜ヨガが消えた瞬間

巻き藁に斬りつける前、自分自身、刀、斬るべき対象としての巻き藁の3つがバラバラに存在するのを強く感じてしまいました。

いつもの居合の形稽古では、自分自身も刀も、そして斬っている仮想の敵も全て1つのものとして自分の中に在るのですが...巻き藁を前に立った瞬間、1つだと思っていたものがパーン!と3つ(もしかしたら自分で気づいていないだけでそれ以上かも)に割れて自分の外に飛び出してしまったのです。

自分の中のヨガ(和合)が消えた瞬間でした。

自分の中で沸き起こる「斬る」という意識、それによって存在感というか自己主張を増幅させる巻き藁...

と同時に、かなりの重量と刃の鋭利さを持つ刀に頼ろうとする気持ち。刃筋さえ通せば、自分の力なんていらないだろう、という甘えにも似た気持ち。

そんなバラバラな状況で行ったのが、この動画の1回目の試技。

巻き藁も傾いたり、斬れても汚かったり、姿勢も大きく崩れるし、よろしくない。

試技2回目〜巻き藁を斬る前に斬るべきもの

おそらく1回目に比べると多少マシに斬れているのではないでしょうか?(そうでもないですか?)

1回目で確認できた外に飛び出してしまったもの、それを見極めてしっかり意識を自分の内に取り戻すことが出来た、ということが多少功を奏したのでは、と自分では思っています。

巻き藁を物理的に斬る前に、自分の内から飛び出して刀や巻き藁、周りの人の目線や声に、外に向こうとする意識を心の刀で斬ってしまう...

ヨガでいうところの”プラティヤハーラ(感覚を内に向ける)”というところでしょうか。

1回目に比べると、メンタル面では相当落ち着いて、リラックスしてやれたように感じています。

いつもお客様には「レッスンだけでなく、日常生活でも出来るだけヨガを思い出して実践してみてください」と言っていますが、ボク自身も思いがけないところでヨガと向き合うことが出来ました。

という、ボク自身の日常でのヨガ体験ご報告でした。

よろしければ皆さまからの「日常でのヨガ体験」も、レッスンの際にでもお聞かせいただけると幸いです。

合掌

sv10s

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