ボクが出張レッスンの全てのお客様に共通してお願いしていることがあります。
それは、
◯◯(体の部分)の力を抜いてください
っていうこと。
首とか、肩、あるいは腰や膝を指摘させていただく事が多いでしょうか(特に、限りなく筋力ゼロで行わなければ本当の効果が出ない陰ヨガでは、強調させていただいていますね)。
頑張って力を入れるよりも余計な力みを取る。これはボクの「引き算的トレーニング方法」の考えに基づくもので、これが出来るようになれば長年身体を苦しめてきた肩こりや腰痛を大幅に軽減することだって決して夢ではないのですが...
その、余計な力みを取ること、が実になかなか簡単にはいかないようで。皆さんそろって、頑張って力を入れるよりも力を抜く方が難しいね、とおっしゃいます。
ということで、今日は「余計な力みを取る秘訣」と題して、レッスン中に指摘させていただくことも含めて簡単にその方法をご紹介しようと思います。
その1.深く、ゆっくり、柔らかく息を吐く
体に余計な力み(特に肩や首をイメージしてみてください)が入っている時というのは、大抵呼吸が浅く、速かったり、場合によっては完全に息が止まってしまっていたりしませんか?
その全く逆パターンの呼吸をしてみましょう。
大きく息を吸って、お臍の下あたりから深〜く、ゆ〜っくりと、お腹を柔らか〜く萎ませていくようなイメージで息を吐いていきましょう。
首や肩、肋骨がスッと下がって、お腹まわりが柔らかくなって、上半身の体重が骨盤の上にストンと下りて来るような感覚があればOKです。
その2.力んでいる箇所をゆさぶってみる
力みの入っている箇所というのは、カチカチに固まってしまっていることが多いもの。
コリを感じやすい箇所は、普段からゆさぶるようにする習慣をつけると良いと思われます。
力いっぱい行うのではなく、脱力してぶらぶらと。
単純作業、同じ動作を繰り返す運動をしている際は特に有効で、居合の先生が肩や指先をよくぶらぶらさせていらっしゃったのを見ていたので、ボクもその癖を盗んで行っていますが、非常に良く効いてくれます。
このあたりは、他に専門的なメソッドとして確立されている体操もあるので、ご興味をお持ちの方はそちらを検索していただくのも良いと思います。
その3.意識する
自分の身体で力みやすい箇所を把握し、普段の生活でも出来るだけたくさんその箇所に意識を向ける時間を持つこと。
実は、これが最強のツールかもしれません。
これをしなかったら、その1やその2の対処法を試みる回数も減ってしまいますからね。
逆を言えば、力みの入りやすい箇所に意識さえ向ければ、それだけで十分とも言えます。
意識を向けて「あ、大丈夫だ」と思ったらそのままの状態をキープしようという意識が働くし、力が入っていれば、「いかんいかん」と思うだけで現状を変化させようと身体が何かしら反応してくれます。
北米ではこの意識を「マインドフルネス(mindfulness)」と言って、ヨガやピラティスを通してしきりに強調されます。
日本流に言い換えれば、「日々是修行」とでも言う境地でしょうか。
しかし、決してストイックでもスパルタでもなく、普段の生活の中で「ふと意識を向ける」それだけで良いのです。
忙しさに流されて無意識、無関心にならなければ、それで良いのです。
もし身体の余計な力みによるコリや慢性的な痛みでお困りの方がいらっしゃったら、何か特別なメニューを行うよりもまずはこの3つの秘訣、日常生活の中で実践してみませんか?
出張レッスンのお客様にも、お渡しするメニューと同等か、あるいはそれ以上に、この3つの秘訣の実践、オススメさせていただく次第です(このあたりは、以前ブログで書いた『日常の動作への気配りこそ重要』という点と通じるところ大ですね)。