ミルグラム実験を知っていますか?

ウィスラーを離れる時にヨガの先生のTinaからプレゼントとしていただいた本を読んでいると、大学の留学時代にも『権威への服従』みたいなテーマを勉強した時に登場した“ミルグラム実験”の話が出ていました。

今回は、それをもとにヨガや武道なんかを絡めて、人間一人一人が生まれながらに持っている良心、道徳という点、それから国や社会といったものによって作られたルールや決まり事といった権威について少し書いてみたいと思います。

<ミルグラム実験とは>
本実験は、第二次大戦中にユダヤ人の大量虐殺を行ったナチ党員、軍人たちは本来的に特殊な性格の持ち主だったのか、それとも何らかの条件下であのような行為に走らざるを得ない普通の市民だったのか、という疑問から、権威に従う人間の心理状態をはかるために行われました。

実験は、出題者(被験者)がクイズを出し、回答者(サクラ)が間違った回答をした場合に出題者が電気ショックを与えるというもの。間違えるごとに徐々に電流は高くなっていき(実際は電流は流れない)、回答者は苦しみもだえ、実験の中止を求めます。被験者である出題者の隣には白衣を着た研究員風の男が一人。出題者が中止を訴えるとひたすら、「あなたの役目ですから。続けてください」と圧迫する。

詳しくは、こちらの動画を見て頂くといいかと思います。

回答者が苦しむ様子を把握しながら、出題者はどこまで実験を続ける事が出来るのか。

驚きの結果です。

なんと半数を超える、全被験者40人中25人までが最大ボルト数(出題者の手元の表記ではxxxボルトと表示)まで電気ショックを与えた、ということです。

その25人全てが、途中で実験に疑問を抱き、中にはさらに実験の中止を求める人もいたにもかかわらず、結局は研究員風の男の言葉に押されて、つまりは権威に押されて、MAXのxxxボルトのスイッチまで入れてしまったのです。

<アカゲザルの良心>
Tinaから貰ったこの本には、ミルグラム実験と並んでもう一つ興味深い実験の結果について紹介されていました。それが“ALTRUISTIC” BEHAVIOR IN RHESUS MONKEYS(アカゲザルの利他的行動)という論文で紹介されている実験です。

この実験はというと、実験そのものが道徳的ではないですが、まず1部屋を2つに区切り、一方の部屋にアカゲザルを入れて、そいつに鎖を引っ張ることでエサを確保できるように教え込ませるんですね。

エサをとる為に鎖を引く必要があることを覚えたところで、もう一方の部屋に別のアカゲザルを入れます。鎖を引いてエサを確保するアカゲザルは何気なく鎖を引きます。すると今度は、エサが取れるだけではなくもう一方の部屋にいるアカゲザルに電気ショックがいってしまうんですね。いや、ひどい...

とにかくそういう実験をして、アカゲザルがどういう反応をするか調べよう、と。

実験対象となった15匹中10匹が、明らかに電気ショックを与える鎖を引く回数が減った、という結果になったそうです。中には5日間、あるいは12日間一度も鎖を引かなかったものもいたようです。

また、電気ショックを与えられた側のアカゲザルが鎖を引く側にまわって行った実験では、そうしたサルが鎖を引く頻度はさらに減った、ということです。痛みを理解しているからこそ、同じ痛みを仲間に与えたくなかった、ということでしょうか?

<ヨガ・武道で目指したいところ>
2つの実験について知っていただいたところで、最後にボクのヨガと武道のお稽古を通して目指したいところについても少しお話しさせてください。

何のことはありません、アカゲザルが持っているように、人間にも本来的に備わっている良心や道徳、それを軸に生きて行ける強さを持ちたい、という事だけです。

決まりだから、ルールだから、という理由ではなく、自分の心と体と魂が本当に納得するかどうか、それで自分の全ての行動を決定できるように

そしてその決定が絶対に間違いのないように、ヨガや武道の真摯なお稽古を通して日頃から正しい心、体、魂の鍛錬に励む。

これが、このミルグラム実験とアカゲザルの実験から見出したボクのお稽古の目指すところです。

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