筋肉とスジ、それぞれの使い方/鍛え方

突然ですが、みなさんは筋肉と、いわゆる”スジ”と言う部分と、何となくタイプの違うものという感覚で区別していませんか?

もしそのような区別が出来ていたなら、その身体感覚は正しいものです。筋肉は筋肉、そして”スジ”と言っている部分は、骨と骨を繋ぐ靭帯骨と筋肉を繋ぐ腱、といった部分を指しているものと思われます。

ですが、そうした筋肉と”スジ”の違いを認識してはいても、それぞれの鍛え方や使い方について正しく把握し、実践できている方は、どれくらいいらっしゃるでしょうか?

ということで、筋肉、そして”スジ”と呼ばれる靭帯や腱の特徴、さらにそれを踏まえた上で、それぞれの使い方/鍛え方についても少し触れてみたいと思います。

筋肉はダイナミックでリズミカル

筋肉の性質は、柔らかく弾力性があるという点にあります。この弾力性や柔らかさが伸張/収縮動作を可能にし、ダイナミックでリズミカルな反復運動を生み出します。

また、このような筋肉の伸張/収縮動作は熱を生み出しますので、筋肉を使った運動は身体を温める効果もあります。

スジは身体の構造をガッチリ守る

一方、”スジ”と呼ばれるものが含まれる結合組織という組織は、筋肉に比べて弾力性に乏しく、非常に硬い組織です。この硬さは、骨と骨、骨と筋肉をガッチリつなぎ止めて身体の構造を安定させるために必要とされるものです。

図は膝の構造を描いたもの。Tendonとあるのが腱、Ligamentとなっているのが靭帯です。

筋肉はアクティブに、スジはサポーティブに

筋肉とスジ、それぞれの役割と特徴を見たところで、まずはそれぞれの部分の使い方について考えてみましょう。

筋肉はアクティブに、スジはサポーティブ(支持的)に

が原則と言えるでしょう。

逆の使い方、特にスジをアクティブに使う使い方は、不要なケガをしないためにも極力避ける必要があります。

ボク自身の経験から言うと、居合道を習いたての頃、手首を無駄にスナップさせてしまっていたのですが、あの時感じた手首の痛みというのは、スジをアクティブに使ってしまったが故の痛みだったのだと思います。

楽器を演奏する方でも手の腱鞘炎が多いのは、このようにスジの部分をアクティブに使ってしまうことが原因なのではないでしょうか。

筋肉とスジ、どちらも鍛える事は可能だし、必要だ

最後に、筋肉とスジそれぞれの鍛え方について見てみましょう。鍛え方も使い方と原則は同じ、

筋肉はアクティブに、スジはサポーティブ(支持的)に

です。

アクティブな筋肉の鍛え方としては、ご存知の各種筋トレですよね。さらに、筋肉には一定の姿勢やバランスをキープする働きもありますので、若干サポーティブな鍛え方をする事も可能です。

身体構造上自然な姿勢をキープした上でエクササイズを行うピラティスは、その好例の一つと言えるでしょう。

疑問なのは、スジについてです。おそらく、「スジなんて鍛えられるの?」と思われた方は少なくないと思います。ところが、スジの特徴を把握した上で慎重に行えば、スジを適度に柔らかくすることは可能です。

やり方としては、陰ヨガのように全身の筋肉の緊張を解いた状態で、パッシブ(受動的)に長時間(3〜5分)かけてストレッチするやり方が効果的でしょう。

“スジ”と言われる部分を柔らかくすることは、身体の内側からの軽さや快適さをもたらしてくれます。さらに、硬いとされる部分をじっくり時間をかけてほぐしておく事でケガの予防や軽減にもつながるため、ボクはこの部分を鍛えることを筋肉を鍛えることと同じくらい必要なことだと考えています。

スジと言われる部分の使い方や鍛え方、少しは参考になりましたでしょうか。

阪神間にお住まいの方で、ヨガ、ピラティスを通してこれらの筋肉のスジ、使い方と鍛え方を学びたいと思っていただけたら、Seed Training(シードトレーニング)がお力にならせていただきます。

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